お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 そして、彼は、私が待ち合わせ場所で聞いてしまった〝本心〟が私に知られていることに、気づいていない。
 不本意ではなかったにせよ、あの別れは、はる君にとっても突然で、後味の悪いものだったはずだ。せめてわだかまりを解消したいのかもしれない。

 ほどなくして、ふたり分のコーヒーを手に戻ってきたはる君は、少し距離を空けて隣に腰を下ろした。それから、短く息を吐いて、改まったように口を開いた。


「強引に連れ出して、悪いとは思っている。でも、こうでもしないと、みのりは俺と話してくれないと思ったから」

 
 そして、少しだけ苦しそうに笑って続けた。


「俺は……ずっと、みのりに会って話したかったから」


 淀みのない、静かな声だった。

 私は、クラッチバッグを膝の上でぎゅっと握りしめる。

 会って 話したかった……?

 胸の奥がざわつく。


「君はいまさらと思うかもしれないが、俺はずっと君との別れに納得がいかなかった。だから、きちんと君の口から確認したいと思っていた。六年前、みのりは何で、急に別れようなんて言ったか。俺が何かしたなら、きちんと教えてほしくて……」

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