お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 彼は好きとかヨリを戻したいとか、私の体を見ても何度も可愛いと言っていたが、彼の本心を知っている私からしたら信じられるはずもない。

 〝固執しない〟と言って私と別れようとしていたのは、間違いなくはる君なのだ。

 私は振り切るようにして、部屋を出てきた。

 連絡先も交換していないし、もう会うことはないだろう。以前の健全な交際をしていた頃の彼からは、考えられないことをしてしまったが、甘い言葉に流されてしまった私が完全に悪い。

 それも困ったことに……ちっとも嫌ではなかった……

 私は、このひと月、そんな一連の出来事に心が振り回され、未だ落ち着く気配が無かった。

 もう会うことはないだろうに、やけに胸騒ぎがするのは、何故なのか――

 
「おっす! 向坂!」
「どわあ……!?」


 なんて考えながら、企画・プロモーション部の扉をくぐろうとしたとき、背後から鶴岡(つるおか)さんに肩を叩かれ大げさな声を上げてしまった。


「お、おはようございます?」
「はは、なんで疑問形なんだよ。このごろ落ち着かない様子だが、大丈夫か?」


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