お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 鶴岡さんは明らかに様子のおかしい私を笑い、顔を覗き込んでくる。

 面倒見のいい鶴岡さんは、周囲をよく見ている。近頃の私はそんなに挙動不審だったらしい。


「あ、あはは……ちょっと、プライベートが慌ただしくて」


 正確に言うと、慌ただしいのは私の頭の中だけども。


「若いうちは、色々あるよな~! まあ、十時からの打ち合わせ、よろしくなー?」
「はい!」


 しっかり返事をして、企画・プロモーション部に入って行く鶴岡さんのあとに続きながら、頭を切り替える。

 どんなにはる君のことで頭を悩ませていても、仕事は仕事だ。
 周囲に挨拶をしながら、席について朝のルーティンに取り掛かる。

 父から打診を受けた、グランツ・ハピネスのブライダルイベントの企画が、今日から本格的に始動する。
 十時から顔合わせを兼ねた初回のミーティングが入っていた。

 資料をしっかりまとめ何度も見直したが、こんな大きな案件の担当になるのは、緊張するものだ。

 それなのに、相変わらず周囲に目を配れる鶴岡さんはすごいなあ……

 なんてぼんやり思ったところで、はたっと我に返る。

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