お別れしたはずなのに、トラウマCEOの淫らな求愛にカラダから蕩かされています⁉︎
 後味の悪い別れだったから引っ掛かっているだけかと考えていたが、それだけでは説明がつかない気がして胸の奥がわずかにざわついた。

 確かにあの夜の彼は「可愛い」と囁き、私の心配を超えて言葉でも体でも、包み込んでくれた。

 けれど、六年前に聞いてしまったことが消えるわけではない。私の名前まで口にして本心を口にしていたのだ。嘘だと言われても信じられないし、例え勘違いだったところで、一度芽生えてしまった疑いは簡単には消えてくれないだろう。


「まあ、急いで答えを出すことではないんじゃない? みのりには他に選択肢もあるわけだし?」

「選択肢?」


 なんのこと……?


「みのりのことを大切に思ってくれ人は、他にもいるってことよ!」


 里子が何を言いたいのかよくわからず、首を傾げたそのとき、ふいに私たちのテーブル席の横で誰かが足を止めた。


「おお、向坂と早見、君たちもここで食べていたのか」


 その声に顔をあげると、なんと鶴岡さんがにこやかに手をあげていた。その後ろには、里子の上司のマーケティング部のブライダルイベントのコアチームのメンバーである主任がいる。


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