廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 なんせ前世は一般人、大した記憶も思い出せていないくせにコンセプトカフェにすら恐れ多くて足を踏み入れたことがないことを思い出して、遠い目をしたくなるライラである。
 そんな彼女がいきなり『お嬢様』なんて言われて『キャー素敵! 嬉しい!!』とはなかなかならないし、なれないのも当然と言えた。
(ただでさえ、転生っていうこの状況を把握するのに時間がかかっちゃったし……はあ、何から手をつけよ)
 使用人たちと距離を置いているのには他にも理由がある。
 滑舌が悪いのだ。とんでもなく。
 今は幼子なのだからしょうがない。
 しかし精神年齢が前世の記憶のせいで若干大人なライラは恥ずかしくもあるのだ。
 何を話しても、特にサ行とタ行、ついでにラ行も発音しにくい。
 これが五才児の発達なのか、それとも伯爵家で碌に離し相手がいなかった弊害なのか……残念ながら過去に子育てをしていた記憶のないライラにはとんとわからない。
(この屋敷の人は、みんな優しい)
 ライラを傷つける人は、ひとりもいない。
 そういえば母の実家である伯爵家では、ライラは常に『無能』だとか、『みっともない』と言われ続けていた。何故そう言われていたのか正直まだライラにはわからない。
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