廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 ここに来てからは誰も彼もが親切で、けれどそれには裏があるのでは……とつい、大人の思考をしてしまう。
(記憶を取り戻す前に、大人たちに怖いことをされたせいかもなあ)
 記憶が混濁した結果、考え方が大人寄りになってしまったせいなのか、今現在のライラにとって過去の出来事はまるで他人事のようだ。
 しかし染みついた恐怖や嫌悪感は拭えないらしい。
(……お母様はお父様と私だけじゃダメだったのかな。それにお父様は偉い人だってみんな言ってたけど、どうしてそんな人が戦争に行かなきゃいけなかったの?)
 わからないことだらけである。
 たとえ前世を思い出して大人になったつもりでいても、当然ながら現在のライラは紛うことなき五才児である。
 世界に関する知識もなければ、家族のことすらわからない。
 加えて、伯爵家で虐げられていたことを使用人たちも知っているらしく、メイドたちは過剰なほどライラのことを甘やかしてくる。
 なんだったら歩きたくないと言えば抱いて歩いてくれそうな勢いで。
(……かといって、メイドさんたちにあれこれ聞いたらそれはそれで『お嬢様がおかしくなった!』とか言われそう)
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