廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 急に大人のような言動を取ってあれこれ小難しい質問をしたら、そりゃあ驚かれることだろうとライラだってわかっている。滑舌は悪いけれど。
 だがまあ、わからないままでいいことはないだろうとライラは考える。
 だから行動に移すことにしたのだ。
 考えることを放棄したとも言えるが、そこはそれ、五才の幼女に多くを求めるなと彼女は心の中で誰にともなく言い訳をしながら庭を目指す。
 実は、昨日の夜に父親が帰宅していることを聞いたのだ。会いに来てはくれなかったけれど。
(でも、もし私の考えているようにただ罪悪感とか、どう接していいかわからないとか、そういう理由だったなら……)
 今からでもライラは幸せになれるんじゃないか?
 いや、おいしい食事に素敵な寝床、たくさんのドレスに、それから優しい使用人たち。
 そんな環境に囲まれて不幸せだなんて言うわけじゃない。
 だけど。
 記憶の中に微かに残る、優しい手。優しい声。
(お母様)
 また家族に抱きしめてもらえるんじゃないか……愛してもらえるんじゃないかって。
 そう、ライラは期待してしまったのだ。
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