廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
(……それとも、伯爵家での生活のせいかなあ)
 生育環境が成長を左右するというのは、前世で聞いた気がする。
 話し相手が多いと早いのだったか、個性だからそれは違うのだったか……その記憶はあまりにも曖昧だけれども。
 伯爵家にいた頃は話しかけられるというより、罵倒と怒声をぶつけられるというのが正しかったように思う。口を開けば恐れのあまりどもりがちになり、それをまた笑われて口を噤む……という悪循環であった。
 そして公爵はそんな娘を案じているのか、ライラの身の回りを世話するメイドたちだけでなく、使用人みんなが優しい態度の人ばかり。医師も優しい感じのおじいちゃんだった。
(みんな私がどもっても、馬鹿になんてしないってわかってるけど……)
 できればその相手は父親であってほしいと思うのは、ライラの我が儘なのだろうか?
 しかしそんな願いも虚しく、父親だけが顔を見せない状況である。
 それが一番の問題なのだ。重大事案だとライラは頭を抱えずにいられない。
(これじゃあ仲良くなれないじゃない!)
 庭にはたくさんのライラックに似た木が植えられていて、どれもこれもが花をつけていた。ライラという名の木で、母であるフレデリカの好きな花だったことから結婚に際して庭にたくさん植えられたのだとメイドたちが教えてくれた。
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