廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
 綺麗だなあとライラは足を止め花を見上げる。
 
『ライラのお名前はね、家のお庭の花からとったのよ。幸せの花なの』

 ライラの母は、優しかった。
 優しくて、泣くばかりで、頼りにはならなかった。
(……お母様の実家との不仲とか、お父様が戦争に行ったこととか、事情は色々あるんだろうけどさ。そのへんの説明抜きで放置継続でしょ? お父様はどうしたいんだろ……)

『ライラの花が咲いたらきっとお父様が迎えに来るわ。それまでの辛抱よ』

 その言葉を繰り返していた母。
 自分の言葉を信じる以外、るものがなかったのかもしれない。
 伯爵家にあったライラの木は、この公爵邸のような華やかな主役になれる場所になかった。
 追いやられた小屋の窓から見える、そんな場所にある花だった。
 けれど、フレデリカにとって彼女の心の慰めで、支えの花であったのだ。
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