廃屋の転生幼女は冷酷宰相の愛娘になりました 〜魔力ゼロだったけど、公爵家でチートが開花しました~
(お父様にどうアプローチしたらいいのかな……)
 ちっちゃいこの手でできることは床掃除くらいだが、そんなことをした日にはメイドたちが真っ青な顔になることくらい今のライラだってわかっている。
 なんたって公爵家のご令嬢なのである。
 伯爵家での扱いがおかしかったのだ。
 まあ何か理由があることは感じているが、それにしたっておかしすぎたのだ。
 ライラは前世の記憶がある分、余計にそう感じていた。
 この世界には前世の世界よりも、明確な身分制度がある。魔力がある。
 だから前世の価値観だけであれこれ判断してはいけないことも、今のライラは完全に理解できていた。そして、それらを全て受け入れることもできている。
 なんたって、この世界に生きているのはライラなのだから。
 あくまで前世の記憶は、今のライラの一部分にすぎない。
 そんなライラは大人の処世術は身につけているので、自分を避ける父親に対してのアプローチを考えるだけの余裕があった。
 しかし弊害もある。
 精神的に大人な分、むしろ年齢相応の行動を取るのには恥じらいがあるのだ。
 相変わらず舌足らずなことも正直恥ずかしいし、父親を追いかけて『だっこ!』と強請ることもちょっぴり……いや、かなり恥ずかしい。
< 48 / 57 >

この作品をシェア

pagetop