夜風にさらわれたお姫様

すると突然。


ピリリリリ。

煌夜のスマホが鳴る。

表情が一瞬で変わった。

「……あぁ」

低い声で通話する。

榴愛はなんとなく嫌な予感がした。


数秒後。

煌夜がスマホを切る。

「榴愛」

「はい」

「部屋戻れ」

「……何かあったんですか?」

煌夜は少し黙った。

「黒崎組が動いた」

空気が冷える。

「屋敷の近くでうろついてる奴らがいる」

「……っ」

怖い。

煌夜は榴愛の頬に触れた。

「大丈夫」

「……」

「絶対守る」

その真っ直ぐな目に、榴愛は小さく頷いた。


< 23 / 120 >

この作品をシェア

pagetop