夜風にさらわれたお姫様
すると突然。
ピリリリリ。
煌夜のスマホが鳴る。
表情が一瞬で変わった。
「……あぁ」
低い声で通話する。
榴愛はなんとなく嫌な予感がした。
数秒後。
煌夜がスマホを切る。
「榴愛」
「はい」
「部屋戻れ」
「……何かあったんですか?」
煌夜は少し黙った。
「黒崎組が動いた」
空気が冷える。
「屋敷の近くでうろついてる奴らがいる」
「……っ」
怖い。
煌夜は榴愛の頬に触れた。
「大丈夫」
「……」
「絶対守る」
その真っ直ぐな目に、榴愛は小さく頷いた。