夜風にさらわれたお姫様

白鴉組の日常


「……無理……」


翌朝。

榴愛は布団の中で顔を覆っていた。

昨日。

告白された。

キスされた。


しかも。

“もう逃がさねぇ”って言われた。

思い出しただけで心臓が爆発しそうだった。

「うぅぅ……」

ごろごろ転がる。

恥ずかしい。
無理。
顔見れない。


その時。

コンコン。

「榴愛ー? 起きてるー?」

心桜の声。

「……起きてる」

「うわ、テンション低っ」

障子が開き、心桜が部屋へ入ってきた。


榴愛の顔を見るなり、ニヤァ……と笑う。

「へぇ〜?」

「……何」

「顔が恋する乙女」

「っっ!!」

榴愛は枕を投げた。

心桜は笑いながら避ける。

「煌夜と付き合ったんだって?」

「な、なんで知ってるの!?」

「今朝、広間で煌夜が普通に言ってた」

「はぁ!?」

終わった。

本当に終わった。

榴愛は頭を抱える。


「“榴愛は俺のだから”って」

「みお!! 忘れて!!」

「無理無理、面白すぎた」

榴愛は真っ赤になった。

あの人なんでそんな堂々としてるの!?


「ほら、彼氏待ってるよ」

「……え」

「広間」

「っ」

心臓が跳ねる。

まだ心の準備が。

でも行かないわけにもいかない。


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