夜風にさらわれたお姫様
初めてのデート
「……デート?」
翌朝。
榴愛は思わず聞き返した。
広間でコーヒーを飲んでいた煌夜は、当然のように頷く。
「あぁ」
「……私と?」
「他に誰いる」
「いや、そうだけど……!」
朝から心臓に悪い。
煌夜は平然としている。
「今日空いてるだろ」
「空いてるけど……」
「なら決まり」
完全に確定事項だった。
榴愛は顔を赤くしながら視線を逸らす。
すると。
「おぉ〜」
「デートだって」
「青春〜」
組員たちが騒ぎ始めた。
「どこ行くんすか!?」
蒼空が目を輝かせる。
煌夜は少し考えるように顎へ手を当てた。
「……普通のとこ」
「曖昧すぎません!?」
榴愛が突っ込むと、煌夜が笑った。
「じゃあ榴愛決めるか?」
「え」
「行きたいとこ」
突然振られ、榴愛は困る。
デートなんてほとんど経験ない。
「……ゲームセンターとか?」
「可愛い」
「なんで!?」
「高校生みたい」
「うぅ……」
絶対またからかわれてる。
でも煌夜はどこか嬉しそうだった。