夜風にさらわれたお姫様
その後も二人は色々回った。
クレープを食べたり。
雑貨屋を見たり。
写真を撮ったり。
普通の恋人みたいな時間。
それが嬉しかった。
夕方。
二人は夜景が見える展望台へ来ていた。
夜坂街の光が広がっている。
「綺麗……」
榴愛が呟く。
煌夜はそんな榴愛を見ていた。
「……なに」
「いや」
「またからかってるでしょ?」
「違う」
煌夜は少しだけ真面目な顔になる。
「こういう顔もするんだなって」
「え?」
「最近よく笑う」
榴愛は少し驚いた。
「……それは」
煌夜といるから。
そう言いかけて恥ずかしくなる。
煌夜は小さく笑った。
「言わなくても分かる」
「むぅ……」
悔しい。