夜風にさらわれたお姫様

煌夜の誕生日当日。


白鴉組本部邸は朝から賑やかだった。

「煌夜さん誕生日おめでとうございます!」

「おめでとー!」

組員たちの声が飛び交う。

煌夜は少し面倒そうにしながらも、どこか嬉しそうだった。


「23歳かぁ」

「もう若頭歴長いっすね」

「蒼空、お前が子供すぎるだけ」

駿が呆れる。

榴愛は少し離れた場所からその様子を見ていた。

……格好良い。

やっぱり目立つ。


その時。

煌夜がこちらを見る。

「榴愛」

「っ、はい!」

「こっち」

手招きされる。

榴愛が近付くと、煌夜は自然に肩を抱いた。

「今日ずっと避けてる」

「そ、そんなことないよ!」

「嘘」

図星だった。

だって今日の夜のことを考えるだけで無理。

心桜の作戦を本当にやることになってしまったのだ。

「……何隠してる」

煌夜が耳元で囁く。

「ひゃっ……!」

「……?」

煌夜が目を細める。

「なんか今日変」

「き、気のせいだよ!」

絶対顔赤い。


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