夜風にさらわれたお姫様

夜。


誕生日パーティーは大盛り上がりだった。

広間には料理が並び、組員たちの笑い声が響く。


「煌夜さん飲んでください!」

「断る」

「えー!」

蒼空が騒ぎ、依吹が呆れ、駿が笑っている。

榴愛は少し離れた場所でその光景を見ていた。


すると。

「緊張してる?」

隣へ座った心桜が小声で聞く。

「……してる」

「顔死んでるよ」

「だってぇ……」

榴愛は涙目になる。


現在、榴愛の部屋には“例の赤いリボン”が用意されている。

本当にやるの?

無理じゃない?


「でも煌夜絶対喜ぶ」

「……うぅ」

否定できない。


その時。

「榴愛」

「っ!」

煌夜が近付いてきた。

「どうした」

「な、なんでもない!」

「変」

煌夜は榴愛の額へ手を当てる。

「熱ある?」

「ない!」

「じゃあなんでそんな顔」

「〜〜〜っ!」

限界。

煌夜は完全に不思議そうだった。


数時間後。

パーティーが終わり、屋敷は静かになっていた。

榴愛は自室の前で固まっていた。

心桜に背中を押される。

「行け」

「む、無理……!」

「頑張れお姫様」

「みおぉぉ……」


そして。

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