夜風にさらわれたお姫様
夕方。
広間では珍しく穏やかな空気が流れていた。
蒼空がゲームをし、駿が呆れ、燐斗がお茶を淹れている。
まるで普通の家族みたい。
その時。
「榴愛」
煌夜が戻ってきた。
少し疲れた顔。
榴愛は自然に立ち上がっていた。
「おかえりなさい」
その言葉に、煌夜の表情が少し柔らかくなる。
「……ただいま」
依吹が小さく笑った。
「完全に新婚夫婦ですね」
「依吹」
「事実では?」
煌夜は否定しない。
榴愛だけが真っ赤になる。