夜風にさらわれたお姫様
しかし。
依吹が再び真面目な声を出した。
「問題は黒崎竜人です」
空気が変わる。
黒崎組若頭。
まだ榴愛は直接会ったことがない。
でも、その名前だけで緊張感が走る。
「最近、本人が前線に出ています」
「……珍しいな」
煌夜の声が低くなる。
「何か企んでる可能性があります」
榴愛はぎゅっと膝を握った。
黒崎組。
自分を狙っている組織。
怖い。
でも、それ以上に。
煌夜が危険な場所へ行くことが怖かった。