夜風にさらわれたお姫様

ピリリリリ。

依吹のスマホが鳴る。


空気が変わる。

依吹は数秒会話し、表情を険しくした。

「煌夜」

「……何だ」

「西区画で白鴉組の組員が襲われました」


広間が静まり返る。


「人数は?」

「10人ほど。かなり派手にやられてます」

煌夜の目が冷える。

榴愛は息を呑んだ。

「……行く」

煌夜が立ち上がる。


すると。

榴愛は咄嗟にその服を掴んでいた。

「……榴愛?」

「気を付けてね」

小さな声。

煌夜は一瞬だけ目を細める。


「ん」

そのまま榴愛の額へ軽くキスを落とした。


「待ってろ」

「……うん」

白鴉組のメンバーたちが次々と出ていく。

広間は急に静かになった。

心桜がモニターへ向かった。

「……嫌な感じ」

「みお?」

「黒崎組、何か隠してる」

榴愛の胸がざわつく。


数時間後。


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