夜風にさらわれたお姫様
その瞬間。
――バァン!!
扉が吹き飛んだ。
「っ!?」
榴愛が目を見開く。
煙の向こう。
そこに立っていたのは。
「……煌夜」
白城煌夜。
息を荒くしながら、真っ直ぐ榴愛を見ている。
その瞬間。
榴愛の目から涙が溢れた。
「煌夜……!」
煌夜はすぐ榴愛の元へ来る。
「怪我は」
「……だい、じょうぶ」
声が震える。
煌夜は強く榴愛を抱き締めた。
「……悪ぃ」
低い声。
「遅くなった」
榴愛は煌夜の服を掴む。
「会いたかった……」
その言葉に煌夜の目が揺れる。
「俺も」
静かな声だった。