夜風にさらわれたお姫様
しかし。
「感動の再会中悪いけど」
竜人が笑う。
空気が変わる。
煌夜がゆっくり振り返った。
その目は冷たい。
「……竜人」
「怖ぇ顔」
「榴愛に触った時点で終わってる」
殺気。
空気が震える。
榴愛は思わず煌夜の服を掴む。
煌夜は榴愛を背へ庇った。
竜人はその様子を見て笑う。
「ほんと過保護」
「黙れ」
「お前変わったな、煌夜」
数秒。
二人が睨み合う。
まるで獣同士。
竜人が小さく息を吐いた。
「……まぁ今日はここまででいい」
「は?」
「牙戦は始まったばっかだ」
その言葉に嫌な予感が走る。
竜人は踵を返す。
「次は必ず奪う」
「やれるもんならやってみろ」
竜人は少し笑い、そのまま去っていった。