夜風にさらわれたお姫様
帰り道。
白鴉組の車内。
榴愛は煌夜へぴったりくっついていた。
離れるのが怖かった。
煌夜も何も言わない。
むしろ。
ずっと榴愛の肩を抱いている。
「……」
静かな空気。
その時。
「姫ちゃん無事でよかったっす〜」
蒼空が泣きそうな顔をする。
「ほんと心配した」
駿も苦笑していた。
依吹が眼鏡を押し上げる。
「煌夜が暴走しすぎて大変でした」
「依吹」
「事実ですよね?」
煌夜は否定しなかった。
榴愛は少し笑う。
帰って来れた。
みんな無事。
それだけで十分だった。