夜風にさらわれたお姫様
その時。
「煌夜さん」
蒼空が少し困った顔をする。
「もう姫ちゃん潰れますって」
「潰れねぇよ」
「いや距離近すぎ!」
確かに。
完全に抱き込まれている。
榴愛は真っ赤になった。
「こ、煌夜……!」
「嫌か」
「……嫌じゃないですけど」
「ならいい」
即終了。
周囲が呆れていた。
「重症だな」
「末期っす」
依吹までため息を吐いている。
でも。
その空気のおかげで、少しだけ緊張が和らいだ。