夜風にさらわれたお姫様
昼過ぎ。
榴愛は庭で燈香とお茶を飲んでいた。
「変わったわね」
燈香が優しく笑う。
「え?」
「最初は怯えてばっかりだったのに」
榴愛は少し考える。
確かにそうだった。
最初は怖かった。
裏社会なんて関わりたくなかった。
でも今は違う。
「……大事な人ができたからかも」
燈香が柔らかく目を細める。
「煌夜?」
榴愛は少し照れながら頷いた。
「守られてばっかり嫌なんです」
「……」
「私も、煌夜さん支えたい」
その言葉に燈香は嬉しそうに笑った。
「ふふ」
「……?」
「もう立派に白鴉組のお姫様ね」
榴愛は少し驚いた。
でも。
嫌じゃなかった。