夜風にさらわれたお姫様

昼過ぎ。


榴愛は庭で燈香とお茶を飲んでいた。

「変わったわね」

燈香が優しく笑う。

「え?」

「最初は怯えてばっかりだったのに」

榴愛は少し考える。

確かにそうだった。

最初は怖かった。

裏社会なんて関わりたくなかった。

でも今は違う。

「……大事な人ができたからかも」

燈香が柔らかく目を細める。

「煌夜?」

榴愛は少し照れながら頷いた。

「守られてばっかり嫌なんです」

「……」

「私も、煌夜さん支えたい」

その言葉に燈香は嬉しそうに笑った。

「ふふ」

「……?」

「もう立派に白鴉組のお姫様ね」

榴愛は少し驚いた。

でも。

嫌じゃなかった。


< 92 / 120 >

この作品をシェア

pagetop