夜風にさらわれたお姫様
その時。
燈香がケーキを持ってくる。
「榴愛ちゃん、おめでとう」
「わぁ……!」
白いクリームに、可愛い装飾。
榴愛の目が輝く。
「すごい……!」
「燈香さん手作りっすよ」
「えっ!?」
榴愛は驚いて燈香を見る。
燈香は柔らかく笑った。
「たくさん食べてね」
「ありがとうございます……!」
こんな風に誕生日を祝ってもらえるなんて思わなかった。
少し前まで、一人暮らしだったのに。
今はこんなに賑やかだ。
榴愛は胸が温かくなる。