夜風にさらわれたお姫様

昼過ぎ。


榴愛は心桜と一緒に街へ出ていた。

「誕生日デート楽しみ?」

心桜がニヤニヤする。

「……う」

図星。


実は今夜、煌夜が二人きりで出掛ける約束をしてくれている。


「絶対特別なことするよ」

「そ、そうかな」

「煌夜だし」

確かに。

最近の煌夜はかなり甘い。

前より距離も近いし、独占欲も強い。

思い出しただけで顔が熱くなる。


その時。

「姫ちゃん!」

蒼空が駆け寄ってきた。

「はいこれ!」

「え?」

渡されたのは小さな紙袋。

「誕生日プレゼントっす!」

「ありがとう……!」


中には可愛い猫のキーホルダー。


「可愛い……!」

「煌夜さんに怒られない範囲で選びました」

「どういう意味!?」

蒼空は笑って逃げていった。

心桜が吹き出す。

「完全に“煌夜の彼女”扱いだね」

「うぅ……」

でも嫌じゃない。

むしろ少し嬉しい自分がいる。


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