私が拾ったのは、千年前の皇子様でした

第10話 皇子、はじめてのおつかいへ

あの日から、なんとなく、
悠真と話ずらかった。

朝起きて、一緒に朝ごはんを食べる。

夜帰ってきて、一緒にご飯を食べる。

そして、別々の場所で寝る。

作業をしているだけのような、
日々が過ぎていた。

ある日、部屋に置いたままになっていた、
勾玉が目に入ってきた。

スマホにでもつけようかな。

なんて、軽い気持ちでつけた。

そういえば、
悠真は連絡手段を持っていない。

「あれって使えるのかな……?」

クローゼットの中を漁る。

すると出てきたのは、
昔、お父さんが使っていた、ガラケーだった。

「とりあえず使えるか調べてもらおう」

そして、お店に行く。

「最低限の機能しか使えませんよ?」と、
店員さんは少し嫌そうな顔をして言った。

そこから、新しい機種を買う方がいいと、
何度もしつこく言われたが、断った。

使えるようにしてもらう。

こっそりと勾玉のストラップをつけた。

「これ」

そう言って、悠真に渡す。

「この板はなんだ?」

悠真は不思議そうに言う。

「これで、連絡できるようになるから、これからはちゃんと連絡する……」

「これで安心だな」

そう言って悠真は笑った。

「そ、それに勾玉がついておるではないか!」

「うん。私のにもついてるから」

そう言って、スマホについている、勾玉を見せる。

「お揃いだな!」

無邪気に笑う悠真。

この数日間、気を使ってくれていたんだと、
悠真の優しさが、私の胸を締め付けた。
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