私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
「ごめんね……」

思わず言葉が、こぼれ落ちる。

「なぜ謝る?」

「だって、心配かけたのに、嫌な態度とって……」

「我こそ、千紘の気に触ることを言ってしまったのであろう?こちらこそ、すまなかった……」

違う。

私は……私は……

「我は、妹との過去に縋るのをやめようと思う」

「え?」

予想外の悠真の言葉に、驚く。

「軽大娘は大切な人だ。だが、我が見ているのはもう過去ではない」

そう言うと、悠真は私の右手を優しく握った。

「でも、悠真はーー」

「我は、千紘。お主を知りたいのだ」

私の言葉を遮ると、
悠真は私の目をまっすぐに見つめて言った。

その瞳には、一切の嘘も、迷いも感じられなかった。

「私も……」

私は悠真の目を見つめ返した。

「悠真のこと、もっと知りたい……」

それは恋人になりたいとか、
好きだとか、
そんな言葉ではなかった。

ただ、この人を知りたいと思った。

もっと。

誰よりも。

けれど私たちは、
その先の言葉を口にすることができなかった。

まるで運命そのものが、
まだその時ではないと告げているようだった。
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