私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
千紘が眠りについた後も、
悠真はしばらく彼女の頭を撫で続けていた。

「こうするのも、なんだか懐かしいな」

そう呟く。

穏やかな寝顔。

規則正しい寝息。

それを見ているだけで、
不思議と胸が落ち着いた。

軽大娘にも、
熱を出した時にこうしていた気がする。

だが。

本当にそうだっただろうか。

悠真は自分の手を見る。

千紘に触れた時の温もりが、
まだ残っている気がした。

「……」

答えは分からない。

ただ一つ分かるのは。

今、こうしている時間を、
失いたくないということだけだった。

そうして悠真は、
眠る千紘の傍らで静かに夜を過ごした。
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