私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
薬師寺では、初めに聞いた、
お坊さんのお話が面白くて、
思わず笑ってしまった。
結奈ちゃんも楽しそうに聞いていた。
「意外と悪いところじゃないかも」
そう言いながら、結奈ちゃんは無邪気に笑った。
お寺自体の規模は大きくないし、
建物も昔の色が再現されているようで、
鮮やかだった。
ついに写経の時間がやってきた。
え、こんなに長いのを書くの?
私は、文字の多さと紙の長さを見て、
一気に不安になった。
隣の結奈ちゃんは、項垂れている。
「結奈ちゃんしっかり」
私は、結奈ちゃんに筆を持たせ、
何とか自力で書けるようにした。
次は自分がしっかり書けるかどうかーー
しかし、意外にも、スラスラと筆が進んでいく。
それにしても、長い。
でも、誰も文句など言わず、
むしろ全員が夢中になって書き続けていた。
一時間ほどで書き終えた。
右手が疲れ切ってしまってはいたが、
それよりも、何だか心が落ち着いたように感じた。
隣の結奈ちゃんは魂が抜けかけているけど……
「この写経はお堂の天井裏に、大事に奉納させていただきます」
お坊さんは丁寧に、写経を集めていった。
ふと見ると、
そこには持って帰ってからできる物、
が販売されていた。
これ、悠真にもやらせてみようかな。
「お姉さん、写経気に入られました?」
お坊さんが話しかけてきた。
「心が整った感じがしました」
「それはよかった。隣のお姉さんは違うようですが」
お坊さんは疲れ果てている結奈ちゃんを見て、
苦笑した。
「そうですね」
「これ、買って帰られますか?」
「そうですね」
そうして、私は悠真用の写経を手に入れた。
「お姉さんみたいな若い方が、興味持ってくださると嬉しいです」
そう言って、お坊さんは笑った。
写経セットをカバンにしまう。
悠真なら、きっと真面目に全部書くんだろうな。
それどころか、一日で何枚も終わらせそうだ。
想像しただけで少し笑ってしまう。
気がつけば、
奈良に来てから何度も悠真のことを考えていた。
お坊さんのお話が面白くて、
思わず笑ってしまった。
結奈ちゃんも楽しそうに聞いていた。
「意外と悪いところじゃないかも」
そう言いながら、結奈ちゃんは無邪気に笑った。
お寺自体の規模は大きくないし、
建物も昔の色が再現されているようで、
鮮やかだった。
ついに写経の時間がやってきた。
え、こんなに長いのを書くの?
私は、文字の多さと紙の長さを見て、
一気に不安になった。
隣の結奈ちゃんは、項垂れている。
「結奈ちゃんしっかり」
私は、結奈ちゃんに筆を持たせ、
何とか自力で書けるようにした。
次は自分がしっかり書けるかどうかーー
しかし、意外にも、スラスラと筆が進んでいく。
それにしても、長い。
でも、誰も文句など言わず、
むしろ全員が夢中になって書き続けていた。
一時間ほどで書き終えた。
右手が疲れ切ってしまってはいたが、
それよりも、何だか心が落ち着いたように感じた。
隣の結奈ちゃんは魂が抜けかけているけど……
「この写経はお堂の天井裏に、大事に奉納させていただきます」
お坊さんは丁寧に、写経を集めていった。
ふと見ると、
そこには持って帰ってからできる物、
が販売されていた。
これ、悠真にもやらせてみようかな。
「お姉さん、写経気に入られました?」
お坊さんが話しかけてきた。
「心が整った感じがしました」
「それはよかった。隣のお姉さんは違うようですが」
お坊さんは疲れ果てている結奈ちゃんを見て、
苦笑した。
「そうですね」
「これ、買って帰られますか?」
「そうですね」
そうして、私は悠真用の写経を手に入れた。
「お姉さんみたいな若い方が、興味持ってくださると嬉しいです」
そう言って、お坊さんは笑った。
写経セットをカバンにしまう。
悠真なら、きっと真面目に全部書くんだろうな。
それどころか、一日で何枚も終わらせそうだ。
想像しただけで少し笑ってしまう。
気がつけば、
奈良に来てから何度も悠真のことを考えていた。