私が拾ったのは、千年前の皇子様でした
予想通り、お酒をたくさん勧められた。

けれど、私の予想外だったのは、

「高瀬は病み上がりなので」

と、かばってくれたことだった。

部長の気づかいもあったからか、
私は、料理とお酒どちらも堪能できた。

宴会も終わり、私は部長にお礼を言った。

「ありがとうございました」

「何のことだ?」

「お酒のことです」

「上司として当然のことをしただけだ」

でも、部長は何事もなかったかのように、
すぐに出て行ってしまった。

「普通に飲み過ぎちゃいましたねぇ」

隣で顔が赤くなっている結奈ちゃん。

「確かに」

そう言いながら、なぜか悠真のことを思い出した。

悠真と初めて会った夜も、
こんな風にたくさんお酒を飲んでたんだっけ……。

こんな時にも、悠真のことを考えてしまうなんて、
私も相当お酒が回っているようだ。

「先輩、部長に守られてましたね」

結奈ちゃんはニヤニヤしながら言った。

いつもより楽しそうでなによりだ。

「私、ちょっと涼んでから帰るから、結奈ちゃん先に部屋に帰ってていいよ」

「え〜?夜の奈良で密会ですか〜?」

「違うから!」

結奈ちゃんは最後までニヤニヤしながら、
部屋へ戻っていった。

一人になる。

私はゆっくりとホテルの庭へ向かった。
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