俺だけのラズベリー

彼があたしのどこが好きなのか、聞くといつも答えは同じだ。


真面目なところ、家庭的なところ、得意分野を活かして頑張っているところ、と内面を見てくれるのはすごく嬉しいけれど、最後には必ずほっぺと答える。


正直、ほっぺでここまで好かれると思わなかった。

しかも、ほっぺの赤をラズベリーと表現しちゃうところがまたリアクションに困るところ。

バラ色、とかそういう表現じゃダメなのね。

まあ、いつまでも付き合いたてのような雰囲気でいるわけにもいかないのが現実なんだろうけど。



「こういう時くらい、ちょっとは面白がれよ。可愛げがないぞ?」



……こういう時って、どういう時だし。


ほっぺとラズベリーの色が同じであることを一緒に面白がれってこと?
それとも、またほっぺが好きである話になったから「何回も聞いた話だよ」とか言って、照れ笑いをしろってこと?


変な時に、甘さが足りないまま収穫された果物のように、酸っぱい毒を吐く涼。

たまにこんなふうに毒舌になるもんだから、砂糖と一緒に煮詰めたくなる。




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