ほたる先生は振り向かない
おまけ③ 高三の冬、当たり前に振り向かない。
毎年、バレンタインデーはそわそわしている。
なんというか。主に、男子が。
私からまるっと二年くらい、誰かが気になっているとか、好きだとか。そういうのを聞いていない玲奈が突っ込んでくる。
「今年も、まつりはナシ?」
「だねー」
「まつりから欲しがってる男子はそこらじゅうにいるのにね?」
「知らんがな」
私たちはお昼ご飯を食べながら、窓際の机に寄りかかっておしゃべりしていた。
高一の頃は、試しに付き合ってみるかと思う人もいたから、同級生も先輩も何人かとそういう関係になってみたけど。
言い方は悪いけれど、誰も彼もしっくり来なくて。
結局、長続きしなくてすぐ別れてしまう。
途中で本当の自分の気持ちに気づいてからは、恋愛は避けている。
「もうすでに彼氏いるとか?」
玲奈が探りを入れているのが分かって、私は苦笑いを返す。
「いないよ」
「他校の誰かと付き合ってるんじゃないかって噂も流れてたよ」
「なにそれ。誰情報?」
「男子情報」
……噂ほどくだらないものはない。
とはいえ、私のバッグの中にはちゃんと“本命”は忍ばせていたりする。
もちろん、誰にも言わないが。
お弁当を食べ終わったあとは、ちまちまと英単語を勉強する。
私のガリ勉っぷりに、まだパンを食べている玲奈が呆れたような目でため息をついていた。
「まつり、暇さえあれば勉強してるねぇ」
「入試、もうすぐだし」
「難関大学だもんね、まつりの志望校」
カサカサと冬の風が校庭の木々を揺らすのが見えて、ふとそちらを見やる。
暑くて暑くて、早く冬になればいいのにと思っていた半年前。
あっという間にその季節を迎えてしまった。
あの時に決意した目標のために、私はコツコツと地道に勉強をしていた。
「恋愛にうつつ抜かしてる場合じゃないかあ」
深い意味なんてなく言ったであろう、玲奈の言葉は案外重かった。
••┈┈┈┈••
なんというか。主に、男子が。
私からまるっと二年くらい、誰かが気になっているとか、好きだとか。そういうのを聞いていない玲奈が突っ込んでくる。
「今年も、まつりはナシ?」
「だねー」
「まつりから欲しがってる男子はそこらじゅうにいるのにね?」
「知らんがな」
私たちはお昼ご飯を食べながら、窓際の机に寄りかかっておしゃべりしていた。
高一の頃は、試しに付き合ってみるかと思う人もいたから、同級生も先輩も何人かとそういう関係になってみたけど。
言い方は悪いけれど、誰も彼もしっくり来なくて。
結局、長続きしなくてすぐ別れてしまう。
途中で本当の自分の気持ちに気づいてからは、恋愛は避けている。
「もうすでに彼氏いるとか?」
玲奈が探りを入れているのが分かって、私は苦笑いを返す。
「いないよ」
「他校の誰かと付き合ってるんじゃないかって噂も流れてたよ」
「なにそれ。誰情報?」
「男子情報」
……噂ほどくだらないものはない。
とはいえ、私のバッグの中にはちゃんと“本命”は忍ばせていたりする。
もちろん、誰にも言わないが。
お弁当を食べ終わったあとは、ちまちまと英単語を勉強する。
私のガリ勉っぷりに、まだパンを食べている玲奈が呆れたような目でため息をついていた。
「まつり、暇さえあれば勉強してるねぇ」
「入試、もうすぐだし」
「難関大学だもんね、まつりの志望校」
カサカサと冬の風が校庭の木々を揺らすのが見えて、ふとそちらを見やる。
暑くて暑くて、早く冬になればいいのにと思っていた半年前。
あっという間にその季節を迎えてしまった。
あの時に決意した目標のために、私はコツコツと地道に勉強をしていた。
「恋愛にうつつ抜かしてる場合じゃないかあ」
深い意味なんてなく言ったであろう、玲奈の言葉は案外重かった。
••┈┈┈┈••