雨暮くんは溺愛彼氏
 雨暮くんのことが勿論気になったが、連絡する手段がないので……学校に携帯電話を持っていくのは認められていないし、おうちの電話番号も知らないし。
 とにかく急いで身支度を整えて駅まで走った。
 駅前の銅像。……わんこの銅像の前で待ってくれている……はず……。
「ごめんなさい! 」雨暮くんの姿を見かけたので急いで走り寄る。「わた、わたし……寝坊しちゃって……。」
「全然。来てくれてありがとう。……早歩きしながら話そっか。」
 ああ……遅れたのに、嫌な顔ひとつしない雨暮くん。本当に、本物の彼氏みたいだ。
 並んで歩くと身長差、足の長さの違いに驚いてしまう。すたすた歩いて、歩幅が大きくて、アスリートみたい。学ランに包まれたからだがきびきび動く。
「俺から勝手に約束を取り付けたのに。律儀に来てくれてありがとう。……嬉しいよ。」
 見上げれば、そう言っている雨暮くんの白い顔にほんのり、赤みがさしているように思えて。
 嘘。照れている? 雨暮くんが? 
< 7 / 53 >

この作品をシェア

pagetop