ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
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お風呂に入る気にも、寝る気にもなれなかった。買ってきた夕食もほとんど喉を通らず、結局ファズにあげてしまった。
人懐っこいファズはもう私にも懐いてて、大喜びでおこぼれを食べて、今夜もぐっすり眠ってる。
柚木くんの愛犬なのに。
ご主人がしょっちゅう帰りが遅いから、私の方が真面目に世話してるじゃない。
「どこ行ったのよ、柚木くん……」
電話してもコールのみで、メッセージは未読。時刻はもうすぐ10時。
「って、あの人の所だろうけど……」
きっと、蘭子さんに会いに行ったんだろう。あのタイミングでなら、他には考えつかない。
吸収合併という要求に変えてきたことについて話そうというつもりだろうか。
「……どうなるんだろ。会社も……柚木くんも……」
呟いたその時、ガチャリと音がした。
──帰ってきた。
私は矢も盾もたまらず、座っていたソファから弾かれたように立ち上がってリビングを飛び出した。
短い廊下の先、玄関に靴を脱ごうとしたまま動きを止めている柚木くんがいる。
「──わざわざ出迎え?」