ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
あっという間に口内を翻弄する舌に、息ができない。苦しくて、熱くて、目眩がする。

こんなのってずるい。反則だ。

普段の冷めた態度からは想像もつかないほど情熱的で、私の全てを奪い去ろうとするかのような荒々しいキス。

こんなキスをされたら感じてしまう。

まるで私は、本当にこの人に愛されてるみたいだって。

信じたくなってしまう。

数々の人のもとを渡り歩いてきた彼でも、私だけは特別なんだって──…

「ん………はぁっ」

ようやく唇が離れて、私は思わず大きな呼吸をした。

柚木くんの顔は見えない。彼は私の肩口に顔をうずめて、まだ強く私の体を抱いている。

首を動かそうにも、柚木くんはそれをさせまいとしているようだった。

「だけど……奪えない。俺の大好きな顔を、俺が消し去ることになる」

右の耳元で、少しくぐもってそう聞こえる。

──大好きな顔? どういうこと?

疑問を口にするタイミングもないまま、唐突に柚木くんの体が私から離れた。そのまま柚木くんは一歩後ろに下がり、私と距離をとる。

恐る恐る見上げた彼の顔は、今までに見たどんな時よりも切なげな笑みを湛えていた。

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