ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「──だけど、本当にどうして? あなた、将来はいつでも私の補佐ができるようにブライダル関係の仕事をしてたんでしょ? だったらあの会社がうちに吸収されたって、問題はないじゃない」
不思議そうな蘭子の声を、瞬也は適当に聞き流した。
話すつもりはもちろんない。
──自分のものになればと願っていた。
美咲は瞬也が新卒で入社した時、勤続2年目の先輩社員だった。
チームが異なりそれほど多く話す機会があるわけではなかったが、明るくはつらつと、毎日元気に出社してきて楽しそうに働いている姿が目を引いた。
そこそこ仕事に慣れた頃、繁忙期を避けたため遅めの新入社員歓迎会が開かれた。
普段話す機会の多くない面子と絡ませようということで、居酒屋での宴会では美咲と隣り合わせになった。
彼女はよく飲み、よく食べ、仕事についても色々話してくれた。
自分は眼鏡で気持ち程度の壁を作り、感情も表情も抑えて淡々とした生活を送り、人との関わりを避けていた。だからつまらない話し相手だったろうが、それも構わず一方的に話して笑っていた。
パワフルな人だな、と思った。
酔った上司が部下たちに今後の抱負の発言を求め、なぜか宴会終盤に自己アピールタイムのような流れになった。
そこで美咲は、ビールジョッキを手に高らかにこう発言した。