ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
求められれば応えていたが、美咲への気持ちが固まってからは蘭子の時のように無理になった。
おかげでそういう関係なしの間を探すのはこれまで以上に困難で、転居頻度も上がったが、平穏なオフィスライフを送るためと思えば苦でもなかった。
美咲が好きだ。
最初で最後になった年賀状は、今も持ち歩いているシステム手帳の中に挟んである。
時々眺めてはキショいな俺と自分でツッコんだが、たった1枚の葉書が驚くほど自分を支えた。
こんな腐敗した自分にもまだ、純粋に人を想う心が生きていた。許されぬ思慕であっても、そのことがある意味では救いだったのかもしれない。
自分はまだ、心までは死んでいない。かろうじて人でいられているのだと。
しかし翌年には彼氏がいることがわかり、ひそかな片想いは実る確率ゼロの片想いに変わった。
誰かのものだと思えば胸は痛んだが、耐えられた。
元から自分が追い求めていい相手だとは思っていない。
ただ最近は、彼女から以前のような笑顔が薄れてしまったことが気がかりで残念だった。
深く悩んでいる様子もないが、あまり楽しそうに見えない。以前は仕事中も、「今日デートなの」と同僚に話し帰っていく時も、瞳をキラキラさせていたのに。
仕事にも恋にも張り合いがなくなっているのかもしれない。また以前のように戻ってほしいと思いながら見つめていた。