ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
突然やってきて、無理矢理住み着いて。散々、私の心を揺さぶっておいて──

「……バカ柚木……バカッ……」

白い紙面に雫が落ちる。

「っ……」

私は彼が残したあまりに寂しいラストメッセージを握りしめて、声を殺して泣き続けた……。



◆瞬也side◆


「ピュアスプリングに連絡したわよ。胸を撫で下ろしてたって感じ」
「そう。ありがと」

努めてさりげなく答えながらも、瞬也も内心ではホッと胸を撫で下ろしていた。

蘭子はきちんと約束を果たしてくれた。これでもう、心配することは何もない。


──ここは、ホワイト・マリッジ本社内にある社長室。

広い部屋は、蘭子の好みにあった高級な調度品が揃えられている。

美咲の家で荷物をまとめた瞬也は、その足でまっすぐここへやって来た。ソファに座る足に、キャリーから出してやったファズがじゃれついてくる。

「それにしてもあなた、家庭の事情なんて大嘘ついて辞めてきたって?」

蘭子が呆れ声で言ってソファの背後に立ち、首に腕をまわしてくる。瞬也は幾分不服そうに言い返した。

「だってさすがにこれだけ急だと、それなりの言い訳が必要だろ」

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