ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【3】後輩男に迫られた場合の、かわし方
11月も後半に指しかかり、他の業界でもそうだろうけれど、私達にとっても忙しい時期がやってきた。
年内の顧客獲得数が今年の総成績になるから、ノルマ達成が危ういと上司も目の色が変わってくる。要は、最後の追い込み時期だ。
「雅絵、どうだった?」
カウンセリングルームから出てきた自分の部下に声をかけると、雅絵はシュンと肩を落とした。
「すみません、入会金NGです」
「わかった、仕方ないね。じゃあお見送りしといで」
「はぁい……」
雅絵はまたカウンセリングルームに戻っていく。
今のご時世、強引な勧誘はできない。即入会が決まらなければ、後日何度か追いかけメールを送り、それでもダメなら終了だ。
「すみません、課長」
オフィスの最奥にデスクを構える、私達カウンセラーの責任者、大竹課長に声をかけた。
40代に突入して白髪の目立ち始めた、それでもわりとかっこいいイケメンの大竹課長は、
「仕方ない。次行くぞ、次。里中チームの次のアポは何時だ?」
「2時から2件で、1件はオンライン。近藤と佐々木がつく予定です」