ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「これからは、奈々と一緒にお一人様ライフ満喫しちゃうかなぁ。この歳になったら、そう簡単に次の出会いなんて転がってないもんねー」

胸の奥で小さく疼く痛みをごまかすように、私はやたら軽くそう言って、ハハッと笑った……。


〇●


それからさらに数日経ったある日。
一見すれば平穏の戻ってきた日常に、突如、新たな嵐が舞い降りた。

一日を終え帰宅しようとビルを出た時、唐突に声がかかる。

「ちょっと、あなた」

誰を呼んでいるのかわからなかったけれど、私はすぐに振り向いた。その声に、聞き覚えがあったから。

「らっ──!」

柚木くんから聞かされた呼び名で叫びそうになって、あわてて声を飲み込む。

──蘭子さん。

しっかりと目が合っている。彼女が呼び止めたのは、私だ。

「ちょっとあなたに話があるの。つきあってもらえるかしら」

「え……」

一体どういう話なんだろう。呆然として言葉を返せないでいると、彼女は形のいい眉をひそめて、

「ボーッとしないでちょうだい。ほら、ついて来て」
「あっ……」

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