ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
「約束さえしてくれれば、今まで通り何も変わることはないわ。だけどもし約束してもらえないなら、こちらも少し困ったことになるかも」

「困ったこと……?」

「ええ。いずれ瞬也は、うちの会社の幹部までのぼり詰める予定なの。だけど提携企業に彼を惑わす昔の女がいるなんてことになったら、彼もやりづらいでしょう?」

──ああそっか。私ってば、鈍いな。

お金で片付けようとされてると怒っている場合じゃない。つまりこれも、取引という名の脅しだ。

柚木くんとこれ以上関わらないことを約束しないと、私が辞めさせられる。彼女には、それを実行するだけの力がある。

もちろん単なる脅し文句ではなく、彼女は本気だろう。

「最低──」

仕事か柚木くん、どちらかを選べって?

冗談じゃない。そんなの、天秤にかけるようなことじゃない。

それに、仕事は私にとって掛け替えのないものだ。

やりたくて選んだ今の仕事。チーフという役職も得て、可愛い部下たちをもっと育て、会社を大きくしていくのに一翼を担うことが新たな目標だった。

手放すことなんて、できるわけない。

「私は──…」

迷いはなかった。

私は静かに息を吸って、まっすぐに目の前の蘭子さんを睨みつけた──。



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