ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
後ろ髪を引かれる思いで別れてきた彼女が、今、機械越しに目の前にいる──…。

「……っ」

躊躇ったが、媚薬のような衝動が抑え切れず、瞬也は葛藤しつつも震える指先で通話ボタンを押した。

だが、様子を見るため言葉は発しない。無言で映像の中の美咲を伺っていると、聞こえてきたのは勢い込んだ大声だった。

『柚木くん? 柚木くんでしょ!? ちょっと、なんで何も言わないのよ?』

久しぶりに聞いた声に、ぐっと体の奥が熱くなる。

『柚木くんってば! 開けてよ! さっきからコンシェルジュの人に睨まれてるんだからぁっ』

焦りぎみの声が再びスピーカーから流れてきた。反射的に『そりゃそうだろ』と思いながらも、瞬也は懸命に思考を整理する。

蘭子に会いに来たという可能性も少なからず考えたが、やはり彼女は自分に会いにきたようだ。

でも、なんのために?

『早く開けてってば! このまま逃げるなんて卑怯よ、コラ!』

「別に、俺は逃げたわけじゃ──」

うっかり声に出てしまった。途端、『ほらいるんじゃない!』と声が突き刺さる。

とうとう瞬也は観念して開錠ボタンを押した。

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