ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
美咲を巻き込みたくなかったから何も話さずここへ来たのに、ひそかに調べて接触されていたなど、自分の苦労が何の意味もなくなってしまう。

「迷惑かけてごめん。……あの人、なんて?」

「柚木くんの様子がおかしいから、直前の同棲相手に何かあるんじゃないかって調べたみたい。それに、会社を守るために取引したのも……」

「………」

押し寄せる脱力感で言葉が出なかった。

取引のことも状況的には明白だろうが、それでも自分が認めなければグレーのままにしておけると思ったのに。

──なんてことしてくれんだよ、あの人は。

美咲には、ただ今まで通り仕事に打ち込んでほしかったのに。

だがそんな瞬也に美咲が続けたのは、さらに追い打ちをかける言葉だった。

「もう柚木くんに関わるなって言われて、お金を渡されたわ。そうじゃなきゃ、私をクビにするって」

「は──!?」

ひどい眩暈のように視界が暗くなる。怒りはさらに黒い渦を巻いて、全身からあふれ出そうだった。

──本当に、なんてことを。

美咲には清らかな場所にずっといてほしかった。

こんな醜悪で汚れた世界になど触れず、自分が惹かれたあの笑顔でいつまでも笑っていてほしかった。苦しめたくなかった。

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