ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【18】芽生えた気持ちの、名付け方
──そう。もう迷わないと、心に決めた。
あの人に札束を突きつけられた時、真っ先に思ったのは、こんな形で終わりにするのだけは嫌だ、ということだった。
散々私を振り回して、そうしていなくなった柚木くん。
けれど彼は、いつの間にか棲み着いていた。
家にだけじゃない。私の心の、深い所にも。
柚木くんがいなくなってから、ようやくそれに気づいた。
この気持ちが何なのか。
だからもう、迷わない。
「……柚木くんはずるいよ。人には幸せだと思い込もうとしてるとか、自分をごまかすなとか散々言っといて。自分だって全然、できてないじゃない」
広いリビングの中央に立ったまま、じっと彼を見つめて言う。
柚木くんはぴくりと頬を震わせたけれど、何も反論はなかった。私はかまわず言葉を続ける。
「本当は、蘭子さんとのこんな関係嫌なんでしょ? やめたいって思ってるんでしょ? だったらやめるべきだよ、絶対に」
「……美咲。俺は──…」
口を開いたものの、その先の声は続かなかった。説明する言葉が見つからない、という表情だ。
──わかってる。私には、柚木くんの気持ちを本当に理解することなんてできない。