ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
瞬也が冷静さを保てなくなってしまった、あの夜。

「うん。頭パツパツだったところに、ああ、こんなに好きでも美咲はやっぱり俺のことただの無感情な仕事人間だと思ってるんだなって痛感させられたら、なんかもうおかしくなって」

たしかにあの頃はまだ何も知らず、無口な塩対応青年だと思っていた。

だけど意図がつかめないと思っていたあの頃の瞬也の行動も、こうして聞けば、もつれた糸がほどけるようにすんなり私の中へ入ってくる。

「勢いで触れてしまったことは半分後悔したけど、彼氏と別れたのを知って調子のいいことも考えた。俺みたいな人間がこんなことしていいのか、でもしたい、って毎日グラグラしながら美咲と話してた」

「グラグラしてるようにはまったく見えなかったよ。強引に押しかけてきて住み着くんだもん」

「……内心ではものすごい葛藤もあったんだよ」

むくれたように彼のついた息が、私の髪に落ちる。

「──わかったよ。話してくれてありがとう」

あの時は気づけなかったことも、今ならわかる。
そうして私の想いも、また揺るぎのないものになった。

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