ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【20】ふたりの未来の、歩み方
初めて訪れるホワイト・マリッジの本社は都心の一等地にある高層ビルで、さすが大企業という貫禄だった。
平日の今日。
会社を欠勤して、私は瞬也とそのビルの前に立っている。
会社を休んでしまって申し訳ない思いはある。でも今回のことは、間違いなくピュアスプリングにも何らかの被害を及ぼすだろう。
そもそも事業提携自体、瞬也がいるから決まったことだった。
でもその瞬也はもういない。ピュアスプリングにも、ホワイトマリッジにも。
蘭子さんを裏切るような行為をして、このまま何も起こらないなんて考えられない。
だけどできることなら、会社には影響を及ぼさず私達だけの問題で済ませたかった。
だからその糸口を見つけるためにも、私達は今、ここにいる。
「──行こうか」
静かな瞬也の声に促され、私は無言で頷いた。
恐くはない。でも、緊張はしている。
知らず知らずのうちに握り込んでいた拳を、瞬也がそっと包んでくれた。
そのまましっかりと手を握り合って、広いエントランスから中に入る。
受付に歩み寄ると、瞬也がスタッフに声をかけた。
「社長に用事があります。今日は出社しているはずですから、面会を申し込んでいただけますか」