ギミック・ラブ  ~年下小悪魔の上手な飼い方~
とりあえず私の謝罪でお客様は何とか機嫌を直してくれて、契約には至らなかったものの数分で終息した。

柚木くんらしからぬ失態に大竹課長も驚いてたけど、報告書の提出のみで放免。

そんなわけで報告書を書いてる彼を、私は隣に座って待っている。
正直、どんな報告書が仕上がるのか心配だからだ。

お客様の説明が要領を得なかったので、柚木くんに詳しい経緯を聞こうとした。
ところが、さっきから彼はろくに返事をしない。

彼も内心では怒ってたり動揺してたりするのかと、諭したり慰めたりしてみた。
けれど、返事は「まぁそんなところです」「はい」「そうですね」程度。

「……ねぇ、聞いてる?」

とうとう業を煮やし、私はPC画面を見つめる柚木くんを覗き込んだ。
すると、柚木くんはようやくチラリとこちらを見て、

「聞いてますよ」

と抑揚のない声で答える。
会話が成立するうちにと、私は間髪入れず次の問いを発した。

「にしても本当に何があったの? あんなミス、柚木くんらしくないじゃない」
「俺らしくない……?」

私の言葉を繰り返し、柚木くんはほんの少しだけ唇の端をあげる。

「俺らしいって、なんですか」
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