ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
【4】平穏なオフィスライフの、守り方
出勤に頭痛が伴ったのは久しぶりかもしれない。
それも、偏頭痛でも二日酔いでもない、特殊な方の頭痛で。
そうつまり──文字通り、“頭が痛い”っていう状態。
「どんな顔してあいつに会えばいいのよ……」
もはや彼への敬意は大きく下がり、アイツ呼ばわりだ。
それでも、会わなくちゃいけない。そして話もしないといけない。
昨日私は、大竹課長に柚木くんのことを任されたのに、彼を一人残してオフィスを出てしまった。
本当は報告書も、私が目を通してから課長に送信する予定だったのだ。
冷静になれば、それはやはりよろしくない。
「おはよー美咲! 昨日忙しかった~?」
入口前の廊下で奈々と出くわした。
「忙しかったよ。……色んな意味で」
「何、色んな意味って?」
「………何でもない」
げんなりと肩を落としながら、怪訝な顔をしてる奈々とオフィスに入る。
オープンな広いスペースに、チームごとに向かい合う形で並ぶ机。
私の席とは隣の島になる奈々チームの席に、アイツこと柚木くんは涼しい顔で座ってた。