ギミック・ラブ ~年下小悪魔の上手な飼い方~
〇●
「美咲、朝食できたよ」
寝室で着替えていると、リビングから呼ぶ声がした。
ちなみに、彼の生活スペースはそのリビング。
1LDKの家には、柚木くんにまるまる提供できる部屋なんてない。
だから荷物もリビングの隅に置いて、夜には来客用布団を敷いて寝てもらう。
──つもりだったけれど、実際にはソファで本を読んでいるうちに寝落ちていることが多い。
今までは開けっ放しだった間仕切りのドアがあるから、閉めれば一応それぞれの個室は完成だ。
ドア越しに声をかければ、こんなふうに全然聞こえる距離だけど。
「……ありがと」
着替えとメイクを済ませてリビングに行くと、テーブルに二人分の朝食が並んでいた。
柚木くんの席の足元では、ファズが先にペットフードでお食事タイム中だ。
「……今日もお見事で」
彼が自分でできると言っていた通り、どうやら相当料理が得意らしい。
「せめてものお礼に朝食くらいは作るよ」と言うから遠慮なくお願いすることにしたら、連日豪華なメニューを並べてくれている。
今朝はハムとスクランブルエッグのクロワッサンサンド、野菜スティックにクリームチーズとアボカドのディップ、アプリコットソースをかけたヨーグルト、カフェオレ。
ホテルの朝食並みだ。
たぶん、夕食を作らせても私よりうまそうな気がする。